2020.03.31
屋根の瓦が壊れてしまった!修理にかかる相場と費用を抑える方法とは?
「屋根の瓦が壊れている」
「そろそろ屋根の修理やメンテナンスを考えないといけない」
このように悩んでいても、具体的な修理費用やどのような作業をするのか分からないことがほとんどでしょう。
屋根の瓦修理は、状況によって修理方法も異なりますし、最適な処置方法も異なります。簡単な修理であれば数万円で直ることもありますし、損傷範囲が広いと100万円以上かかります。その場で対処することができたとしても、長期的な視点が考えると別の方法が適切ということもあるでしょう。
そこで、この記事では屋根の瓦が壊れてしまった場合にできること、また費用を抑える方法をご紹介します。
屋根の瓦を修理する方法
屋根の瓦を修理する方法についてご紹介します。瓦が壊れている場合でも、どのような修理をする必要があるのか分からなければ、費用の相場を知ることも難しいでしょう。
修理費用を安く抑えるためにも、損傷の種類別にどのような修理方法があるのか解説いたしましょう。
瓦が割れている場合
瓦が割れてしまっているなら、コーキングするか、もしくは差し替えで修理をします。瓦は飛来物によって割れてしまうこともありますし、風によってずれてしまい、結果として割れそうになっていることもあるでしょう。
いずれにして、瓦が割れてしまうと、雨水が侵入する可能性が高いので早急に修理する必要があります。
棟が破損している場合
瓦が壊れていると感じる別の原因は、棟が破損しているケースです。この棟というのは、屋根の頂点の部分で、土と漆喰で成り立っています。
隙間を埋めている漆喰と土がはがれていくと、徐々に形が崩れてしてしまい、結果として瓦が割れる原因になってしまいます。棟の取り直し工事が必要になりますが、のし瓦の段の数によって工事の工程と費用に違いが生じるでしょう。
雨漏りがしている場合
瓦が壊れており、雨漏りもしているなら、さらに工事が多くなります。瓦の下に防水紙があるのですが、防水紙が劣化しているなら、取り換えておく必要があります。この場合には屋根の葺き直し工事が必要です。
基本的に屋根材は変えずに再利用します。破損している瓦のみ取り換えをしておき、劣化している防水紙のみ取り換える工事なので、費用も抑えることができます。
費用を抑えて瓦を修理する方法
費用を抑えながら瓦を修理する方法とは何でしょうか?瓦が損傷してしまったとしても、必ずしも高額な費用になるわけではありません。損傷具合によっては、安く抑えながら修理できるからです。
その方法は、
・コーキングや防水テープで補修
・カバー工法
の2種類です。
それぞれの方法をさらに見ていきましょう。
防水テープで補修する
瓦が割れてしまって、すぐに応急処置をしたい場合におすすめの方法です。まずは割れてしまった瓦を撤去します。そして、瓦の割れ面で防水テープを貼る部分は、キレイに拭きましょう。汚れが付いたまま防水テープを貼ってしまうと、粘着力が低くなり防水性も低くなりますので、徹底的にキレイにします。
割れた瓦に防水テープを貼ってから、瓦を元に戻します。割れた部分の補強も兼ねているので、2重にしておくとさらに良いでしょう。防水テープを貼るタイミングで、下地の確認もします。防水シートが剥げてしまっていないか、破損している部分はないか、見ておきましょう。その後、瓦を元に戻します。
パテを使って補修する
パテを使って修理をするのは、今では一般的ではなくなっています。手間がかかるので、その分費用がかかるからです。しかし同じ瓦が手に入らなくて、防水テープよりもしっかりと補修したい方にお勧めできる方法です。
こちらの場合でも、まずは割れてしまった瓦を取り除いて清掃します。付着している汚れをしっかりと取り除き、次の工程に備えます。
その後、割れた面にパテを塗っていき、接着させましょう。はみ出たパテは、雑巾などで取り除きます。また取り除いた瓦の下地もこのタイミングで確認しましょう。防水シートを確認しておくことで、後で雨漏りになってしまうことを防げるのです。
瓦をパテで補修するなら、最後にしておくべき点として、下支えを作ること。アルミニウム鋼板を使って、瓦の支えを作ります。これで強度が落ちた瓦を支えられるので、パテした部分が割れるのを防げます。
カバー工法で新しくする
手間をかけずに新しくする方法は、カバー工法を使うことです。これは、現在ある瓦の上に新しい瓦を敷いていく方法です。瓦を取り外さなくても良いので、工期も短くなりますし、費用も抑えられます。
しかしデメリットもあり、屋根全体の重量が増加します。屋根の重量が増加してしまうと、建物の耐震性が弱くなってしまうのです。重量が増えてしまうと、家屋の柱にかかる負担も大きくなってしまうからです。
カバー工法で修理をするメリットがあるのは、主にアスベストを使っている瓦があったときです。廃棄に費用がかかるので、瓦をそのまま使うカバー工法の方が費用も安くなります。その他の建材でできている場合には、カバー工法はおすすめできません。まずは十分な強度があるのか、調べておく必要があるでしょう。
屋根をリフォームする場合の費用相場
屋根をリフォームする際の費用相場も見ていきましょう。
瓦がずれていたり、数枚割れているケースでは安いのですが、下地も損傷していたり、葺き替えとなると高額になります。
瓦のずれや割れの場合
ずれや割れでは、原因となっている瓦を取り除き、新しい瓦を差し込むか、割れている瓦を補修します。それで瓦の枚数によっても左右されますが、数万円で補修できるでしょう。ポイントとして、損傷が大きくなる前に補修をすることがあります。
数枚割れている段階で補修できれば良いのですが、そのまま放置してしまうと別の瓦も割れ始めることもあります。
葺き替え工事の場合
屋根全体を吹き替えるのであれば、部分補修よりも費用が高くなります。それも、現在の瓦を撤去したり、処分したりする必要があるからです。さらには野地板の状態を確認し、腐食しているなら張替しなければいけません。
今の状態から、瓦を撤去する手間も含まなければいけないので、費用は高くなっていきます。しかし軽量金属の屋根材に葺き替えることで、耐震性を高めることができます。
屋根の瓦修理は火災保険が使える?
屋根の瓦修理は、費用が掛かりますが、場合によっては火災保険を利用できるかもしれません。「火災保険が瓦修理に?」
と思われるかもしれません。
一般的には、火災保険は火災による被害のみを補償すると思いがちです。しかし条件を満たすと火災保険で費用をまかなうことができます。
風災の被害なら使える可能性大
結論から言うと、瓦が破損したのが風災の影響であれば、保険を請求することができます。そして、現在加入中の火災保険が風災に対応していることも条件です。また被害が風災によるものと認定してもらうことも必要です。
火災保険が風災に対応しているなら、物が飛来してきて瓦が割れてしまった場合でも費用を請求できるでしょう。
火災保険を使うための注意点
火災保険を使うために、注意できる点は何でしょうか?
風災によって生じた破損に限られるという点は覚えておきましょう。例えば、台風によって瓦が割れてしまったとしても、すべてを葺き替えることは認められないかもしれません。ある程度までは、経年劣化によってすでに古くなっていたとされ、破損した瓦を補修する分しか、認められないことがあります。
さらに申請期間も、災害から3年間となっています。法律によって決められているので、この期間は変更することができません。もし以前に台風の後に瓦の修理をしたのであれば、もしかすると火災保険の請求をできる可能性があります。
いずれにしても、契約内容によって保険が適用されるのかは変わります。自身の火災保険の内容を確認して、補償を受けられる条件を満たしているか確認してみましょう。
まとめ
屋根の瓦を修理したいのであれば、できるだけ費用を抑えたいと思うものです。すべての条件で火災保険を使えるとは言い切れませんが、風災の被害にあっていて、火災保険が風災に対応しているのであれば火災保険が適用される可能性があります。火災保険が適用されるのか、またどんな修理が必要なのかチェックしておきましょう。