2020.05.08
台風の時だけ雨漏りする場合の対策は?備えと応急処置も解説
台風の時や台風が去った後に、雨漏りが発生することがあります。放置すると大変な被害を受けてしまうので、対処法を把握しておきましょう。台風の際に雨漏りが発生した場合の雨漏りの原因や対策、備えや応急処置など把握してほしい情報を詳しくご紹介します。
なぜ台風の時だけ雨漏りするのか?
通常の雨では雨漏りが発生しないのに台風の時だけ雨漏りが発生することは、よくある話です。同じ雨でも台風の時だけ雨漏りが発生することには、大きな理由があります。それは、雨の降り方の角度と雨水の水圧の影響です。
通常の雨は、上から下に向かって降ります。建物は上部から下部に降る雨に対して雨水を取り入れない構造となっているので、雨が室内に入ってくることはありません。
しかし、台風は様々な風の吹き方をするので、斜めや横に角度を付けて雨が降ります。そのため、建物の外部の弱いところから雨が浸透してしまうことで雨漏りが発生してしまいます。
建物の全ての部位を防水仕様にすれば問題が無いように思えるかもしれませんが、そうではありません。建物というのは空気の循環が大事であり、建物の中で空気を循環させることで、建物の健康を保つことができます。
建物の中の空気を上手く循環させることで、湿気を取り除いて水分を取り込まないようにすることができます。湿気によるダメージを建物に与えずに済み、丈夫な建物を維持することが可能になります。
建物にある様々な隙間により建物の健康を保っていますが、台風などの時はあらゆる隙間から雨水が浸透してしまい、雨漏りが発生してしまいます。台風時の雨漏りは、避けて通ることはできません。


台風による雨漏りを放置すると被害はどうなる?
台風により雨漏りが発生してしまうと、様々な部分に被害を発生させてしまいます。雨漏りと聞くと室内に雨がポタポタ落ちてくるイメージを想像されるかもしれませんが、それだけの被害ではありません。
考えられる1つ目の被害は、屋根や外壁、窓まわり、軒天より雨水が浸透してしまうことで、柱などの建物の構造物に雨水が触れてしまうことです。雨水は木材などの構造材に浸透してしまい、腐食がはじまってしまいます。
酷くなるとシロアリの温床となり、木構造体が侵されてしまいボロボロと紙のようになってしまいます。木造の建物は木構造体により建物の頑丈を維持しており、紙のようにボロボロになってしまうと強度は低くなってしまいます。
木構造体の強度が低くなってしまうと建物自体が弱くなってしまい、地震などの動きが加わった場合倒壊してしまう可能性があります。長持しない建物となってしまい、末永く建物に住み続けることができません。
2つ目は、断熱材に雨水が浸透することで断熱効果が失われてしまうことです。外壁や床には断熱材が入っており、断熱材に水分が含まれると断熱効果が失われてしまい、省エネ効果が低い建物となってしまいます。
断熱材というのは1度濡れると後に乾いても断熱効果は復活せず、断熱材の意味がなくなります。夏暑く冬寒い建物となり、住みにくい建物となります。光熱費がかさむようになり、維持費がかかる建物になってしまいます。
3つ目は、雨水が入り込むことによる、湿気の問題です。湿気によりカビなどの細菌が発生し、健康被害を発生させてしまうことがあります。カビにより喘息になったという声もあり、家族の健康を奪ってしまいます。
雨水が建物に入ることで、このような被害が発生してしまいます。そのため、雨漏りしない建物を保つことが非常に大事となります。
台風による雨漏り被害を減らすための対策と応急処置を紹介
建物は隙間があるように造られており、台風などの強い雨が発生した場合に雨漏りが発生してしまうことがあります。しかし、応急処置を行うことで、台風による雨漏り被害を最小限にすることができます。
屋根は屋根材のズレや割れなどの不具合が発生していることがありますので、常に屋根の不具合をチェックしておきましょう。ちょっとしたズレや割れなどの不具合は、部分的な修繕で直すことができます。
また、外壁のヒビや窓まわりのコーキングの劣化部分は、台風により簡単に雨漏りしてしまうことがあります。常に外壁や窓まわりをチェックし、不具合がある場合は即座に修繕しましょう。
外壁の換気口も、台風により簡単に雨漏りが発生してしまいます。換気口の上部のフードの出が短い場合は雨漏りしやすいので、フードの出が長いものに取り替えましょう。
ベランダ周りも、風が強く吹くと雨漏りしやすい部位です。外壁との取り合い部分などあらかじめ点検して水が入りやすい部分をチェックし、コーキングなどで応急処置をしておきましょう。
基礎にある床下換気口は、台風により床下に水が入ることがあります。床下に水が入ると床構造体に浸透して劣化させてしまうので、大変危険です。台風前には床下換気口を閉めて、雨水が入らないようにしましょう。


雨漏り修理を依頼すると費用はいくらかかる?
雨漏りの修理は、雨漏りの調査をすることからはじまります。そのため、まずは雨漏りの場所を特定する必要があります。
安価な雨漏りの調査は、疑いがある部位に直接水をかける散水調査方法です。ホースにて疑わしい部分に直接水をかけて、雨漏りが発生しているか確認をします。調査費用は業者にもよりますが、20,000~50,000円程度です。
また、より確実な雨漏り調査方法が赤外線カメラによる調査です。建物に赤外線カメラを当て、温度の違いにより雨漏り発生部位を特定します。確実に雨漏り部分を特定できるため、採用する方が増えています。
赤外線カメラによる調査は調査器具が高いので、約100,000~150,000円と高額ではありますが、確実に雨漏り原因の特定ができます。
雨漏りの修理費用は、屋根のズレやひび割れ補修で約10,000~50,000円となります。下地の補修や張替えで約50,000~300,000円ほどであり、棟板金の交換で約30,000~200,000円となります。
外壁のひび割れの補修で約50,000~500,000円であり、コーキング補修で約50,000~100,000円となります。窓まわりの補修は、約30,000~200,000円かかります。
外壁フードの取り替えは、1か所10,000円程度です。コーキングのみの打ち替えは、約5,000~10,000円となります。
雨漏りの跡の天井や内壁の補修は、約10,000~50,000円となります。断熱材の取り替えは、約10,000~100,000円となります。
その他、高所作業になる場合は足場が必要となり、約50,000~200,000円かかります。
これらの修理費用は、修理を行う範囲により大きく異なります。また、全てまとめて修理をすることで足場などの仮設物の節約により安価に済ませることもできます。
火災保険で雨漏り修理は補償できるのか?
雨漏りによる老朽化が原因の被害の場合、火災保険の対象外となり修理費用に使うことはできません。火災保険の中には、雨漏りという補償がないからです。しかし、例外があります。
それは、火災保険の補償の中にある、風災、雪害、ヒョウ災に該当するかです。台風などの強風により屋根や外壁などが破損し、その部分から雨水が入り込んで雨漏りが発生した場合、火災保険の補償の対象となります。
火災保険の保険金の請求期限は、保険法で3年となっています。3年間の間であればどの建物も台風などの大きな風の被害にあっているので、それを証明することができれば火災保険の対象となります。
また、保険会社の中には独自の請求期限を設けている会社もありますので、あらかじめ確認されることをおすすめします。
雨漏りの修理費用を火災保険を使って補いたい場合、まずは修理業者に相談をしましょう。修理業者は雨漏りによる火災保険の適用に詳しいので、親身になって詳しく教えてくれます。
その後、火災保険会社に電話をし、被害の内容を報告します。その際に詳しい説明が必要になるので、あらかじめ業者に聞いて詳しい内容を把握しておきましょう。見積書や報告書も、修理業者が作成してくれます。
火災保険会社から、保険金請求書、事故状況報告書、修理費見積書が届きますので、必要事項を記入して申請をします。書き方は修理業者に聞くとわかりますので、簡単に作成ができます。
申請を受けた火災保険会社が損害鑑定人を派遣して、雨漏りの現場調査を行います。第三者機関のプロの鑑定人により、申請内容をもとに現場調査を行います。
損害状況の確認調査や自然災害による被害があるのかを調査し、被害額を算定した報告書を作って保険会社に提出されます。
火災保険会社が調査結果を受け、審査をし申請内容が認められた場合、加入者へ保険金が支払われます。
その後、雨漏り修理を行います。申請がおりた後に修理を行う理由は、火災保険の調査が通らず保険金が支払われない場合があるからです。
雨漏り修理には大きな費用がかかることもあるので、申請がおりた後に補修を行うようにしましょう。
火災保険会社に提出する書類の作成は、慣れていないと難しいです。火災保険を使った作業に慣れている業者であれば、保険会社に提出する書類をスムーズに作成してくれます。
書類の書き方で審査に通らない場合もあり、書類の内容は非常に重要です。火災保険を使ってスムーズに雨漏り修理を行うために、火災保険を使った作業に慣れている業者にお願いをしましょう。