2020.06.26
今夏の梅雨で被る被害を火災保険で補償できるか知りたい
例年6月から7月初旬にかけて梅雨が発生しますが、近年では集中豪雨によって建物や家財に深刻な被害をもたらしています。梅雨によって受けた被害に対しても、火災保険は適用されるのでしょうか。併せて火災保険の申請方法も解説していきます。
火災保険はどんなもの?
あなたは火災保険にどのようなイメージを持ちますか。火災が起きて建物や家財に被害が生じた際に、保険金が支払われるものの印象が強いと思います。
簡単に言うと、火災保険は災害によって生じた被害を補填するものです。火災以外にも、さまざまな災害に対する補償がおりるので適用範囲が広い保険です。
通常、災害が起きるとまず始めに考えなければならないことは、元の暮らしを取り戻すことです。一旦被害が生じると、後片付けなどをしなければならずすぐに元通りの暮らしをすることはできないでしょう。
火災保険は、災害時に元通りの暮らしを送るための準備金となる意味合いを持ちます。そのためには、建物と家財に保険をかけて、万が一の際に補償されるようにしなければなりません。
ここで名前を挙げた建物と家財は、下記のものを含めます。
〈建物〉
・建物本体
・門
・塀
・車庫
・物置 など
〈家財〉
・洋服
・家具
・電化製品
・カーテン など
火災保険で補償される建物と家財を挙げてみました。要するに建物とは「家の外にある動かせないもの」のことで、家財とは「家の中にある動かせるもの」を意味します。
災害時には建物と家財のどちらの補償も付けたいところですが、そのためには「建物+家財」の両方が補償されるプランに加入しなければなりません。一方のみの補償だけでは、災害時に補償が不足してしまいます。
火災保険とは、万が一の際に生活に対する補償がおりるものです。生活再建に役立たせることができるため、被災した際に困らないように建物と家財に対する補償を持つことをおすすめします。


火災保険で補償される被害はどんなものある?
火災保険では、どのような被害が補償されるのでしょうか。上記でも触れましたが、火災による損害の他にも補償される被害があるので下記で詳しく解説していきます。
〈火災保険で補償される被害一覧〉
・火災
・落雷
・破裂、爆発
・風災
・雪災
・雹災
・水災(洪水、土砂崩れ)
・衝突、倒壊、飛来
・騒擾、集団行動
・破壊、汚損
・水漏れ
・盗難
このように、補償される被害の幅が広いのでさまざまな災害に適用されることが特徴です。
ご自身に原因がなく外部的な不注意によって受けた被害も、火災保険で補償されます。たとえば、外からのボールによって自宅の窓ガラスが破損した場合や、デモなどの破壊行為で建物や家財に損害を負った場合です。
この他、マンションの上の階からの水漏れや、盗難で建物や家財に損害をもたらした際にも火災保険で補償されます。このように、暮らしの何でも屋的な意味合いを持つ保険です。
そのため何らかの災害で建物や家財が被災した際、まずは火災保険が適用されるのではないかと考えましょう。スムーズに申請ができるように、火災保険の対象となる災害を覚えておくと役立ちますね。
今夏の梅雨に被害を受けた場合、火災保険申請は通る?
梅雨の時期は全国的に降水量が多く、またゲリラ豪雨と呼ばれる集中的に雨が降り注ぐ現象も多々発生します。なお、梅雨の時期は災害発生率も高いですが、どのような被害を被ることが予測されるでしょうか。
まず考えられる災害は、水災です。降水量が多くなることで、大洪水が発生することが予想できますよね。また山間に住んでいると、土砂崩れの被害に巻き込まれる可能性もあります。
なお、火災保険の申請で多い被害として、一軒家の雨樋や屋根が梅雨によって被害を被ることが挙げられます。雨樋と屋根は、どちらも生活に必要なものなので早急に修理したいですよね。
いずれも水災や風災によって起こるものなので、火災保険が適用されます。保険金を受け取ることで、負担を増やさずに修理することができます。
この他、梅雨の時期に起こりやすい災害として落雷が挙げられます。雨が降る前などに落雷が発生しやすく、高い木は雷が落ちやすくて危険です。また、落雷によって家の中の家財が壊れてしまう可能性もあります。
上記で挙げた梅雨によって発生し得る災害は、火災保険で補償することができます。そのため火災保険申請をすれば、ほぼ保険金を受け取れると考えてください。一見火災とは関係なさそうな災害でも、補償対象です。
しかし、建物+家財の補償を持つことが最低条件なので、一方しか加入していない場合は補償されない可能性もあります。つまり建物と家財の両方の補償を持つことで、十分な補償を得られるのです。
たとえば、落雷によってテレビが壊れてしまったケースです。テレビは家財に含まれるため、家財の補償をつけていることで保険金の支払い対象もなりますが、補償を持っていなければ保険金の請求はできません。
これは、水災と雨漏りに対しても一緒です。仮に家財の補償をつけない状態で水災に遭って床上浸水したとしても、使えなくなった家財に対する保険金はおりないのです。
せっかく火災保険を備えていても、建物と家財の一方の補償しか持っていないと後処理を自己負担で補わなければならなくなります。そうなると保険料も無駄になってしまいますよね。
万が一梅雨で被災した際に、十分な補償を受けるためには火災保険の建物+家財の補償を持つことが大切です。早々に生活再建を進めるためにも、建物と家財の補償を備えておきましょう。
また、梅雨は被害が大きくならないと考えがちですが、上記で挙げたように大洪水や水漏れ、落雷の被害を受けることが想定されます。たかが梅雨だと甘く見ずに、火災保険に加入しておくと安心ですね。


火災保険申請の方法を解説!
梅雨で被災をしたら早急に火災保険を申請できるように、あらかじめ申請手続きの方法を覚えておく必要があります。簡単な手続きで申請ができるので、ポイントを押さえておきましょう。
最初に、保険会社へ被災状況を伝えて火災保険を申請します。
火災保険は被害を受けてから最長3年間は申請が可能ですが、先延ばしにしすぎてしまうと被災したときとは状況が変わってしまい、正確な被害状況がわからなくなってしまいます。
被災時には、火災保険申請の他にも一時的に生活をする家を探すなど、あらかじめ準備をしなくてはならないことが多いですよね。しかし早く生活再建をするために、火災保険の申請も同時進行で行うようにしましょう。
保険会社に火災保険を申請すると、申請に必要な書類が送付されます。この書類は、保険金額の査定にも影響してくるので、正確な被災状況を記載する必要があります。梅雨で被害を受けた状況を、しっかりと把握しておきましょう。
書類を保険会社へ送付して受理されると、派遣された損害保険鑑定人による現地調査が行われます。この調査は、送付された書類を元にして実際の被害状況を確認するためのものです。
万が一、書類と状況が異なっていると、査定金額に影響が出ます。多額の保険金を得るために、わざと被害状況を大袈裟にすることはしないようにしましょう。
また、目視しなくても甚大な被害であることが把握できたり、損害が小さい場合には損害保険鑑定人による現地調査は行われない可能性があります。さまざまなパターンがあるので、臨機応変に対応しましょう。
一般的には、調査が終わると保険金の査定が行われて支払われる保険金額が決定します。その後、被保険者が指定した銀行口座に保険金が支払われて、一連の流れが終了することとなります。
ここまでが、約2〜3ヶ月です。長いようであっという間だと思います。計画的に火災保険を申請したいですね。
梅雨は毎年発生する季節特有の事象なので、大きな災害が起こらないと軽視されがちです。しかし近年では、大洪水による水漏れや落雷による被害が多発しているので、決して人ごとではありませんよね。
万が一被災をしたときに困らないように、建物+家財の補償を持っておくことをおすすめします。補償があることで、生活に必要な家財の購入と建物の再建を早く進めることができます。
火災保険の申請方法は、知っていて損がありません。迅速に請求できるように、正しい知識を覚えておきましょう。