2022.11.25
火災保険で雨樋(あまどい)の修理ができるケースを紹介!保険金はいくらもらえる?

火災保険は、火事だけでなく自然災害や盗難にも備えられる損害保険です。それでは、雨樋の修理でも保険は下りるのでしょうか。
今回は、雨樋の修理に火災保険が適用されるケースについて紹介します。どういったケースで保険が下りるのか、また保険金の相場はいくらなのかなどを確認してください。
火災保険で雨樋の修理ができるケース、できないケース
火災保険の事故件数でもっとも多いのが、風災、水災、雪災、雹災です。たとえば、台風や大雪が原因で雨樋が壊れてしまった場合でも、条件をクリアすれば火災保険から保険金が下りることがあります。
火災保険で雨樋の修理ができるケース、できないケースを紹介していきます。
火災保険で雨樋の修理ができるケースとは?
自然災害で雨樋の損傷として多いのは「風災」「雪災」の2つです。火災保険を使って雨樋の修理ができるケースを見ていきましょう。
【風災・雪災などの自然災害が原因で雨樋が変形・破損した】
保険で雨樋の修理ができる被害事例は以下のとおりです。下表の事例に近い理由で雨樋が壊れてしまった場合は、保険の対象となる可能性が高いといえます。
風災の場合 |
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---|---|
雪災・雹災の場合 |
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【損害額が20万円以上(足場工事費含む)】
従来の火災保険は雨樋の修理費用が20万以上になる場合、火災保険の保険金支払い対象となっていました。
ただし、最近の火災保険では20万以下でも補償対象とする保険会社が増えているため、加入している保険の補償内容次第では20万以下でも保険金が下りるケースもあります。この場合、免責金額(=自己負担額)が設定されている場合が多く、損害額から免責金額を引いた金額が保険金として振り込まれます。
【損害が発生して3年以内の申請】
火災保険の申請には3年以内という期限があります。保険会社に申請する前に修理やリフォーム工事が終わっていても3年以内であれば請求申請ができます。
大雪、台風、豪雨などのあとは普通に生活できていたとしても、確認しておきましょう。
3年以内なら大丈夫とはいえ、災害の1、2年後に申請すると「なぜ今さら?」とあらぬ疑いを持たれてしまうおそれがあるので注意が必要です。
損害場所を確認する際は、はしごを使わないと見えないような高いところはケガの危険があるため業者に依頼してください。ただし、悪徳業者も多いので業者を選ぶ際には注意しましょう。
火災保険で雨樋の修理ができないケースとは?
雨樋が壊れたら、必ずしも火災保険から保険金が下りるとは限りません。ここでは、火災保険を使って雨樋の修理ができないケースを説明します。
【経年劣化・摩耗など】
火災保険は火災や盗難・水濡れなどをのぞき、自然災害による損害を補償するものです。
自然災害が原因ではない、経年劣化による塗装の剝がれ、掃除をせず落ち葉やゴミが詰まったことによる雨樋の破損などは火災保険の補償対象外です。
【災害から3年経過している損害】
すでに説明したように保険金請求の時効は3年です。
時間が経ってしまうと災害によるものか、経年劣化によるものか判断がつかないためです。 面倒と思わずに、災害が起きたらなるべく早めに破損している場所がないか確認し、損害を見つけたらすぐに保険会社に申請しましょう。
【原因が地震による損害】
「地震・噴火またはこれらによる津波」が原因で被害を受けたものは、地震保険でしか対応できません。つまり別途地震保険に加入していなければ保険金は下りません。
東日本大震災以後、地震保険への加入率は大幅に増加しましたが、「家を買ったときに火災保険に入ったきり、見直しをしていない」場合、未加入なケースが多いです。
【免責額以下の損害】
免責とは、火災保険の加入時に設定した「自己負担額」のことです。自己負担額を設定することで保険料が安くなるため、設定している方も多いです。免責金額より損害額が低い場合、保険は下りません。
なお、昔の火災保険は20万以上の損害額未満の場合は保険が下りないケースがほとんどでしたが、最近の火災保険は損害額が20万以下でも免責額以上であれば支払う「免責方式」を採用しています。ご自身の火災保険の補償がどちらのケースか確認しておきましょう。
【最大瞬間風速20m/秒未満の風災申請】
火災保険の「風災」の補償を受けるには、最大瞬間風速が秒速20m以上の強風であることが条件とされています。これを下回る風災での保険請求の申請はとおらないと見てよいでしょう。
【風災・雪災・雹災など必要な補償に加入していない】
最近の火災保険は、不要な補償を外せるものが増えてきています。そのため、保険料を安くするために特定の補償を外す方も多いです。
当然、「台風で雨樋が壊れたので保険会社に申請したい」のに、「風災」が補償されていない契約であれば請求すらできません。


雨樋の修理で受け取れる保険金はいくら
雨樋の修理で火災保険が適用される場合、受け取れる保険金の相場はいくらくらいなのでしょうか。事例を交えながら説明していきます。
火災保険が適用された場合の保険金の相場とは
雨樋の修理費用は劣化や破損具合によるので、明確に断定はできません。基本的には、修理費用金額ー免責額(自己負担額)=損害保険金となります。
雨樋修理にかかる費用についてのおおよその目安は以下のとおりです。
雨樋の修理内容 | 修理費用の目安 |
---|---|
雨樋の修理・または交換 | 1mあたり3,000~5,000円 |
雨樋の継ぎ手の補修 | 1カ所あたり5,000~20,000円 |
雨樋の清掃 | 1,000~30,000円 |
建物すべての雨樋の交換 | 15~60万円 |
足場工事 | 10万円 |
上記のとおり、雨樋の一部交換や補修程度であれば高額にはなりません。ただ、建物すべての雨樋を替えなければいけないケースは比較的高額となります。また雨樋は屋根の近くに設置するため、足場を組む必要があります。
雨樋修理の見積もりは足場工事費も記載してもらいましょう。
保険金が全額下りないって本当?
損害保険は基本的に「実損補填型」、つまり元のとおりに戻すのに必要な修理や買い替えにかかる費用をまかなう保険です。そのため、保険証券に記載された「損害保険金上限額」と、実際に保険会社からもらえる保険金は異なります。
【損害額=損害保険金ではない】
保険会社は修理業者から提出された雨樋修理の見積書をもとに保険金を決めていきますが、見積もりどおりに保険金が下りることは少ないです。
仮に修理の見積もりが100万だったとしても、保険会社が認める保険金は70〜80万円というケースは多いです。見積金額から2〜3割ほど減額されると考えておいたほうがよいでしょう。
【免責額が設定されている場合】
前述のとおり、最近の火災保険では、保険料を安くするため「免責額」といって自己負担額を設定するケースが増えています。
たとえば、「損害額が30万円、免責額が10万円」で設定している場合、実際に保険会社から契約者の口座に振り込まれる金額は免責額を引いた20万円となります。


火災保険申請時の注意点

火災保険の保険金請求のための申請の手順はおおむね以下の7ステップです。
- 契約内容の確認
- 保険会社への連絡
- 修理会社に見積もり依頼
- 必要書類を保険会社に提出
- 保険会社などによる現場の調査
- 保険金支払決定・振込
- 修理会社に修理依頼
申請時の注意点や誰に相談すべきかについて紹介します。
火災保険申請するときの注意点2つ
火災保険申請時には、特に以下の2つには注意が必要です。
- 詐欺業者に注意
- 保険金が下りる前に工事契約をしない
【詐欺業者に注意】
残念なことに悪徳業者が一定数存在します。最悪の場合、保険金詐欺の当事者になってしまい、火災保険が強制解除(解約)されるうえ、詐欺罪で刑事罰を受けることもあります。 保険トラブルに巻き込まれないために、下記のような業者は避けるようにしてください。
- 訪問営業をしている すぐに契約を迫る
- 見積金額・手数料が高め
- 「火災保険を使えば修理代は実質無料」などと言ってくる
- チラシなどに会社の所在地・代表者名・問い合わせ窓口などが書いていない
- 「経年劣化で破損したものでも災害で破損したと申告しましょう」などとうその申請をすすめられる
- クーリングオフができない
また、請求申請後、保険会社から修理業者に確認の電話をすることもあります。修理業者は信頼できる修理業者を選んでおくことも重要です。
【保険金が下りる前に工事契約をしない】
詐欺業者・悪徳業者は上記のとおり、契約を急がせる傾向にあります。キャンペーンや甘い言葉に惑わされず、妥当な見積金額か、落ち着いて確認してください。 十分に判断できない状態で工事契約を締結することのないよう、注意が必要です。
申請が不安な場合は火災保険申請のプロに相談!
ここまで火災保険の申請の流れや注意点などを紹介しました。それでも下記のような不安などが出てくる方も多いでしょう。
- 煩雑な書類の記入の仕方、書き方がわからない
- 不備があった場合に、何度も保険会社とやり取りするのが面倒
- 書類をそろえる手配などの時間がない
- どんな修理業者を探したらいい? 保険金が振り込まれるまで不安
- 保険会社に請求しても取り下げられたら?
そんな不安を解消してくれるのが「お家のドクター」です。お家のドクターは火災保険の申請に必要な書類の作成や、保険請求申請のサポートをいたします。 火災保険申請についての不安や困ったことがあるなら、一度ご相談ください。

