2023.02.24
雪害は火災保険の対象?事例や申請方法を紹介

雪害とは、雪によって引き起こされる被害のことを指します。火災保険は、家に生じたアクシデントの多くをカバーする万能な保険ですが、雪害にも対応しているのでしょうか。
雪害による火災保険の申請事例や申請時の注意点を紹介します。
雪害は火災保険の対象?
火災保険は「火事による被害しか申請できない」と思われがちですが、家に生じたアクシデントの多くをカバーする万能な保険です。
雪による被害が対象となるのか確認しておきましょう。
雪害は火災保険の対象になる
結論からいうと、雪害は火災保険の対象です。
三井住友海上の「補償内容|火災保険 GK すまいの保険(すまいの火災保険)」によると、火災保険の支払金額の1位は「風災」です。全体の60以上%を占めるほどの割合です。
風災には「風災・ひょう災・雪災」が含まれています。自然災害全般を指していると考えてよいでしょう。さらに雪災を具体的に見ると、雪の重みや雪の落下による事故、雪崩による被害を指します。
対象外となる事例
雪による被害であっても、対象外になることもあります。具体的な事例を確認しましょう。
雪解け水や除雪作業
雪解け水(融雪水)による被害は、補償の対象外になることがあります。雪解け水による洪水や土砂災害は、水災とみなされるためです。
水災補償に加入していないと、保険金の請求はできません。また、融雪水の漏れや凍結、除雪作業による事故も対象外です。
雨漏り
雨漏りは補償対象外となることもあります。
自然災害(雪を含む)で建物の一部が破損して雨漏りが生じた場合は、風災として補償対象になります。一方、原因が特定できないと建物の経年劣化と判断され、保険が下りない場合があります。
はっきりとした破損場所がないと、保険金の支払いは難しいといえるでしょう。
カーポートの破損による車への被害
自家用車は火災保険の補償対象外です。車に生じた被害は、自動車保険でカバーします。
自動車保険の申請をすると、将来の等級に影響します。将来的に負担する保険料にも関わってくるので、自動車保険の担当者に相談するとよいでしょう。


加入済の人が確認すること
火災保険は基本補償のほかにオプションが多くあります。自分で選択できる分、必要な補償がついていなかった、なんてこともあります。
雪害に関する補償は十分か、この機会に確認しましょう。
風災はついているか
多くの火災保険には、基本補償に風災が含まれていますが、一部のネット加入型の保険では、風災補償を外すことができます。
契約時、保険料の負担を減らそうと補償を外す人も多いです。風災は自然災害全般に有効なため、なるべくつけることをおすすめします。
家財はついているか
家財(家の中にある家具など)を補償範囲に含めるかは任意です。
家財を補償内容に含めていないと、家具、家電などに被害が出ても補償されません。雪崩などの大規模被害だけでなく、窓が破損し吹き込んだ雪で破損するといったことも起こり得ます。
家電の買い換えには費用もかかるので、家財補償をつけておくと安心です。
付属建物を申請しているか
付属建物とは、倉庫や物置などの主たる建物に付属した建物のことです。
火災保険は10年契約が一般的です。その間に増築や外構工事をすることも珍しくありません。追加の構造物は、あらかじめ申請しないと対象外となることがあります。設置後は、すみやかに保険会社へ報告しましょう。
水災はついているか
雪解けが原因の洪水で、家が浸水したり、土砂災害に巻き込まれたりしても雪害とはみなされません。
この場合は、水災となります。水災補償は、マンションや平地にある住宅では加入していないことがあります。一度、ハザードマップを確認し、土砂災害リスクを確認してください。少しでもリスクがあれば、加入をおすすめします。
個人賠償責任保険はついているか
個人賠償責任補償も任意加入が一般的です。
- 屋根から落ちた雪が人に当たってけがをさせてしまった
- 雪かき中に隣の家を破損してしまった
上記のように、人やものに被害を与えてしまったときに使う補償です。火災保険か自動車保険でつけていることが一般的です。どちらについているか確認しておきましょう。
雪害による火災保険の申請事例
雪害に見舞われたとき、申請できるか判断に迷うと思います。雪害による火災保険の申請理由を具体的に見てみましょう。
雨どいの歪み
雪害で申請がもっとも多いのが、雨どいの歪みです。雪の重みや、落下するはずみで歪んでしまうことが多いようです。
損害状況や、発生原因の特定もしやすいので比較的申請が下りやすいといえるでしょう。
カーポートの破損
カーポートの破損も雪害で起きやすい事象です。
火災保険は、家本体だけでなくカーポートも補償範囲になります。それ以外にも門や塀、車庫など、建物に付属するものは対象です。普段雪の降らないエリアは耐積雪荷重性能の低いカーポートが多く、大雪に見舞われると破損することも珍しくありません。
積雪20cm以上は破損の可能性が高まるといわれています。なお、保険会社によっては付属建物に制限を設けていることもあるので確認しておきましょう。
給湯器の破損
戸建て住宅の多くは、給湯器が屋外にあるはずです。屋根から落下した雪が直撃し、給湯器がつぶれることがあります。
この場合も、給湯器は建物の一部と考えられるため対象です。給湯器メーカーに連絡をし、工事の見積もりを取るとよいでしょう。
雪崩による家の破損
建物が雪崩で破損した場合は、雪害の補償対象です。建物の倒壊だけでなく、外壁や窓ガラスの破損も対象です。
室内に流れ込んだ雪で破損した家財は、家財補償で対応します。家財補償はオプションとなることも多いので、内容を確認しておきましょう。


火災保険申請の注意点
実際に雪で家の設備が破損し、申請をするときはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。
申請時の注意点
火災保険は原則、本人が申請を行う必要があります。
最近は、保険請求手続きも簡略化されています。スマホで撮った写真を転送するだけの保険会社もあります。写真は保険会社の重要な判断材料となるため、以下のポイントを確認しましょう。
- 建物全景
- 被害箇所の遠景
- 被害箇所
建物全景
方向を変えて2〜3枚ほど撮影します。家の特定のため、表札なども併せて撮影します。
被害箇所の遠景
被害箇所と隣接部分が入るように撮影します。暗いと被害箇所の判別が難しくなるため、なるべく日中に撮りましょう。
被害箇所
被害を受けた場所に近寄って撮影します。高所の撮影は危険が伴います。火災保険申請代行業者を利用するのもよいでしょう。
火災保険申請代行業者はアリか
雪による被害は、家の高い場所かつ広範囲に起こることも珍しくありません。とくに屋根の被害を説明するのは難しいでしょう。
個人で行うと、写真が見づらかったり、全容を説明仕切れなかったりと請求のうえで不利になることがあります。そうならないように、雪害による火災保険の申請は、申請代行業者の活用をおすすめします。
火災保険申請代行業者は撮影も請け負ってくれます。また、保険会社からの質問にも対応してくれるので安心です。