2023.02.24
ゲリラ豪雨による雨漏りは火災保険が下りない?申請時のポイントも紹介

近年、気象変動によるゲリラ豪雨の発生頻度や被害が増しています。ゲリラ豪雨によって雨漏りなどの被害を受けた場合、火災保険が下りにくいといわれています。
ゲリラ豪雨による雨漏りは火災保険が下りにくい理由と申請時のポイントを紹介します。
ゲリラ豪雨による雨漏りは火災保険が下りない?
火災保険は、自然災害で家や家財が被害を受けたときも使えます。異常気象による災害が増えた昨今、とても心強い存在といえるでしょう。
一方、ゲリラ豪雨が原因の雨漏りは、保険金支給の対象外としている保険会社も多いです。
雨漏りは水災ではない
火災保険の補償内容に「水災」があるから大丈夫、と考えている人は多いです。しかし、雨漏りは水災ではありません。水災は、台風、暴風雨などによる洪水で起こる床上浸水を対象としています。
それ以外の自然災害による被害は、風災とみなされます。つまり、ゲリラ豪雨による雨漏りは風災と判断されなければ、保険金を受け取れません。
雨漏りで火災保険が下りにくい具体的なケース
雨漏りが生じたにもかかわらず、火災保険が下りにくいケースを紹介します。
経年劣化
雨漏りと自然災害との関係性が見られない場合、経年劣化が原因と判断されてしまいます。
屋根や外壁を放置すると劣化が進み、水漏れの原因になります。屋根は長く使えると思われがちですが、耐用年数はスレート葺きの屋根で約20〜30年です。外壁は約10年で塗り替えが必要です。
メンテナンス不良の状態で放置すると、自然災害で被害を受けたとしても、経年劣化と処理されて保険金が下りないおそれがあります。
初期不良
新築物件で、引き渡し後すぐに雨漏りが起きると、初期不良と判断されることがあります。この場合は、ハウスメーカーに責任があります。
新築物件であれば、10年以内はハウスメーカーが修繕をする義務があります。新築後10年以内に起きた水漏れは、ハウスメーカーに相談しましょう。
リフォーム工事が原因
屋根や外壁の修繕、ソーラーパネルの設置工事の際、屋根材がずれたり割れたりすることがあります。
これらが直接の原因となる雨漏りであれば、火災保険の補償対象外です。この場合は、責任はリフォーム施工会社が負います。
リフォーム工事の際は、事前に補償がしっかりしている会社か確認してから契約することをおすすめします。
古い家は泣き寝入りが多い?
屋根などの変色やさび、腐敗、腐食、ネズミ・虫食いを放置すると、経年劣化と判断されるため、保険金の支払い対象外となることがほとんどです。
築年数が経過した家は、保険金請求はやや不利でしょう。火災保険を申請すると、提出した写真や事故報告書をもとに判断がされます。写真や事故報告書は鑑定結果に大きく影響を与えるため、資料の質が重要といえます。
しかし、素人が精度の高い資料を提出するのは困難です。資料作成をプロに依頼する方法もあるので、活用しましょう。


ゲリラ豪雨による雨漏りでも火災保険が下りやすいケース
ゲリラ豪雨だけでは、火災保険の適用対象になりにくいのが現状です。一方で「自然災害の被害を受けた」とはっきりわかれば、火災保険の申請は下りやすくなります。
火災保険が下りやすくなる具体的な例を紹介します。
風の被害
飛来物で壁が破損して雨漏りしたり、暴風で屋根材が飛ばされた結果、雨漏りになったりした場合でも火災保険は下りやすいです。
ゲリラ豪雨による風で被害が出たら風災として申請が可能です。風災は、台風、旋風、竜巻、暴風などが原因の被害が対象です。異常気象による風の被害と考えるとよいでしょう。
ひょう被害
ひょうで屋根や窓が破損し、雨漏りが発生した場合も火災保険の対象です。
昨今では、気候変動の影響からか、ゲリラ豪雨のタイミングでひょうが降ることも増えています。テニスボール程のひょうが降ることもあり、屋根や窓が破損することも珍しくありません。
雪災
雪の重みで雨樋が壊れて雨漏りになったり、大雪で屋根が破損し、雨漏りになったりした場合も火災保険は下りやすいです。
ゲリラ的に積雪量が増えるゲリラ豪雪も増えてきました。雪で家の一部が破損し、雨漏りにつながった場合も火災保険の対象です。
なお、雪水の流入や、除雪作業が原因の雨漏りは対象外です。


火災保険申請のポイント
雨漏りによる被害は、屋根や壁など広い範囲に及ぶため、修理費が高額になります。特に屋根の葺き替えは数百万円になることもあるので、火災保険を活用したいところです。
火災保険の申請にはポイントがあります。ポイントを理解し、下りるはずの保険が下りないということがないよう、注意しましょう。
申請の流れ
実際に被害を受けてから、保険金を受け取るまでの流れを復習しておきましょう。
1:保険会社へ連絡
まずは、保険会社へ連絡します。保険を申し込んだ代理店(ハウスメーカーや金融機関、保険販売店など)へ連絡しても構いません。
担当が決まり次第、保険会社から折り返しの連絡が入ります。
2:申請書類を用意する
保険会社担当者経由で、以下のような申請に必要な書類が案内されます。
- 保険金請求書
- 修理見積書
- 被害箇所の写真
- 事故状況説明書
3:損害鑑定人による調査
保険会社から派遣された損害保険鑑定人が、実際に被害状況を見に来ることがあります。
内容の正しさや被害の範囲などを、第三者の目で調査します。
4:保険金の支払い
書類や調査内容に問題がなければ、保険金が支払われます。申請から支払いまで長くて約1カ月かかります。
自分で申請するときのポイント
火災保険の申請は、本人が行うのが原則です。申請の際、気をつけたいポイントを紹介します。
時効
被害を受けてから3年以内に申請しないと、時効を迎えてしまいます。時間がたつと破損箇所の状態がどんどん悪くなり、原因の特定が難しくなるため、注意しましょう。
被害状況の写真
被害箇所の写真は、保険が下りるかどうか判断する重要な書類です。暗い、ピンボケといった写真は保険審査に不利になるかもしれません。撮影は明るい日中にしましょう。
工事見積書
保険金請求で必要な工事見積書は、自分で探した工事業者から出してもらう必要があります。この段階で、工事契約まで結ばないようにしましょう。
手数料や手付金、前金を要求してくる会社にも注意が必要です。保険金がおりず工事を止めようとしたら、違約金を請求されたという話もあります。
損害状況説明書
発生日時や原因などを具体的に書きましょう。原因が「豪雨による」だけだと、保険金が下りない可能性があります。
風災、ひょう災など自然災害による被害である旨を説明する必要があります。また個人で記入すると、重要な漏れがあっても気づけないリスクがあります。
結果として保険が下りないこともあるので、専門家のサポートを受けるのもおすすめです。
専門家にサポートしてもらう
最近は「スマホで写真を撮って送るだけ」と申請手続きが簡単なところも増えてきました。
しかし手軽な分、重要な箇所が欠けた写真を提出してしまうなんてことも多々あります。特に雨漏りの直接的な原因は、素人の目では判断がつきにくいものです。
実際に災害が原因で被害が出たにも関わらず、経年劣化と判断されて修繕費は自己負担となることも起こりえます。
申請が下りなければ、数百万円を自己負担することもあります。そのため、火災保険申請の専門家のサポートを受けることをおすすめします。専門家のサポートを受けると以下のようなメリットがあります。
-
- 適切な写真を用意してくれる
- 経験豊富な業者に工事の見積書依頼をしてくれる
- 保険会社に説明を求められたとき、具体的な話ができる
- 交渉の代理人となってくれる
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