2019.01.23
【悪徳業者?】火災保険の不払い問題と、泣き寝入りしない対処方法
突然ですが、あなたが火災保険に加入することで買っている「価値」はなんでしょうか?
「火災保険じゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、火災保険はあくまで商品。その商品が提供する価値は他にあります。
答えは、「安心」です。
あなたの大切な住居や家財に万が一のことがあった時、その回復に膨大な費用を自己負担すると、まさに「泣きっ面に蜂」ですよね?
めったに起きない「万が一」ではあるのですが、それが自分にあたってしまった時に備えて、加入しておくのが火災保険。加入者全体から支払われる保険金が、被災者に支払われることで、被災者の回復が後押しされます。
しかし、そんな保険の仕組みを根本から覆すのが、火災保険の不払い問題。過去大きな問題となったこともあり、だいぶ改善されているとはいえ、依然として時折問題となります。
そんな不払い問題について、原因や対処方法についてまとめてみました。ぜひ、いざというときのために頭の片隅にいれておいてください。
不払いは、ある意味利益。保険会社のビジネスモデル
そもそも、保険会社はどのようなビジネスモデルで成り立っているのでしょうか?
簡易化すると、以下のようになります。
①加入者から保険金を預かる。
②預かった保険金を、運用して増やす
③預り金・運用益の中から、被災者に対して保険金を支払う
④残ったお金が保険会社の利益
単純なビジネスモデルだけで考えれば、保険金を支払わなければ支払わないだけ、保険会社の利益は増えるということになりますね。
次の項目で詳しく述べますが、現在あからさまに不払いを起こすような業者はめったにいないはずです。とはいえ、「保険金を支払わないことで利益を確保できる」というビジネスモデルは念頭に置いておいてください。
このようなビジネスモデルで成り立っている業界。2005年以降噴出した、利益至上主義に走った保険会社(生命保険、損害保険ともに)による「払い渋り」は、当時大きな社会問題になりました。現在、テレビCMを打ち消費者からのイメージも良い、就活生からの人気も高いような大手の保険会社が金融庁から、業務停止命令といった処分を受けたことがあるのです。
それだけ問題になった以上、もはや大々的に払い渋りをする企業が出てくるとは想像しづらいですし、現在はインターネットが発達しています。トラブルが拡散されることで企業イメージを損なうことは保険金を払い渋ったくらいで確保できる利益とは比べ物になりません。企業全体としては、まっとうに本来のミッションを遂行していると考えても問題ないでしょう。
しかし、やはり依然として個々の対応となってくると、まったくないわけではないようです。ちょっとした申請の不備で認定がされなかったり、経年劣化と言い張られて支払いを受けられなかったり。中には微妙なケースもあり、一概に保険会社が払い渋っていると言えないケースもありそうですが、支払いをめぐってのトラブルは起こっているようです。
不払い問題の回避や、不払いに当たったときの対処方法
では、実際にご自身が申請する立場に万が一なったとして、不払いを回避するためには、また、それでも不払いに直面してしまった場合にはどのように対応するのが良いか、考察していきます。
まず、そもそも、不払いを起こさないためには
・被災を迅速に申請する
・申請や書類に不備がないよう、対応する
・保険会社や鑑定士とのやり取りは毅然として対応する
といったことが求められます。最初から相手を敵と決めつける必要はないですが、相手側も「払い渋ろう」とまでは思っていなくても、判断がつきづらいものは払いたくないのは当然のことです。また、こちらが保険金詐欺ではないか、疑ってはいなくとも懸念くらいはしているでしょう。
こちらがしっかりと対応していれば、誠実な申請者であると安心して手続きを進めてもらえます。また、万が一相手が心無い担当者だったとしても、毅然としていれば足元を見られにくいでしょう。
それでも、申請の否認や、納得いく額が支払われないなど問題となった場合は、第三者を介してでも納得しあうまで交渉する姿勢が重要です。相手に正当な言い分があるにせよ、悪質な払い渋りせよ、知識のない加入者側が泣き寝入りするようなことにはならないよう、手続きを踏んでいきましょう。
もちろん、弁護士を介したり、訴訟を行ったりも有効ですが、申請の段階から業者を挟み、手続きから交渉まで一任するのもより費用や手間を抑えられるかもしれません。
まとめ
かつてに比べるとだいぶ改善された保険金の不払い問題ですが、残念ながらゼロにはなっていません。また、加入者が「不払い」「払い渋り」と感じても、保険会社側に分がある場合も当然あるでしょう。
大事なのは、問題やトラブルを起こさないよう、申請者の側が正しい知識をつけスムーズに対応することです。査定側に保険金詐欺などの余計な不安も与えないですし、万が一相手に悪意があっても「悪さできない」と思わせることができます。
それでもトラブルとなった場合は第三者を介してでも妥協せず交渉する姿勢も重要です。