2019.01.26
地震保険は火災保険とどう違うの?保障対象・加入条件も解説
2018年の「今年の漢字」は「災」に決まりました。平成最後の年だけに少し残念ではありますが、各地で起こった「災」の数々を考えると仕方ない面もあるでしょう。
これまであまり想定されていなかったエリアでも大きな地震が起こり、「地震保険」の重要性も再認識されています。
一方で、
「地震保険ってそもそも何?」
「え?火災保険で地震も保障されるんじゃないの?」
なんてあいまいなご認識を持たれている方もまだ多いようです。
そこで、今回は地震保険について、改めて解説していきます。火災保険との違いや、加入の条件、補償対象の違いで最も気を付けるべきポイントについても触れています。ご参考になりましたら幸いです。
地震保険は単体加入不可!火災保険とのセット加入が必須
まず、そもそもの前提として、地震保険は単体で加入することはできず、火災保険とのセットではじめて加入できるものです。
火災保険は言うまでもなく、「何かとセット」なんてことはなく単体で加入できますね。
火災保険の契約をするときに、地震保険に一緒に入るということももちろんできますし、その時は加入しなかったとしても、後から地震保険を加えることも可能です。
地震保険と火災保険の補償対象の違い
地震保険は火災保険とセット加入を任意で行うもの、となると両者は上下関係などではなくまったく別物であることがわかります。
それぞれの保障の対象を比べてみましょう。
火災保険の補償対象
火災を原因とする損害が補償対象になります。「火災」を対象としていますが、商品によっては、「落雷」「水害」「風災」などから「盗難」までカバーしているものもあります。
補償対象としては「物件と家財」「物件のみ」「家財のみ」の3通りから選ぶことができます。
地震保険の補償対象
地震・噴火・津波を原因とする損害が補償対象になります。地震・噴火・津波の直接の被害だけでなく、間接的に起こされた被害についても地震保険のカバー範囲であることが注意点です。(次の項目で詳しく解説します。)
こちらも補償対象は同様に「物件と家財」「物件のみ」「家財のみ」の3通りから選びます。
火災保険の落とし穴!地震による火災は対象外
こうして比較してみると、
「火災保険が大事なのはわかるけど、地震保険はいらないかも」
と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
一番気を付けなければならないポイントは
「地震に伴う火災」は地震保険の補償対象であり、火災保険では補償されないということです。
過去の大震災の例を見ると、地震の揺れそのものでの被害よりも、それにより引き起こされる地震火災などの二次災害での被害の方が大きい傾向にあります。
また、もう一つ落とし穴になるのが「通電火災」です。大地震の際、電気が止まることが多いですが、住人が避難後、電気が復旧した時に再び動き出した電化製品が原因で火災が起きることがあります。この通電火災も火災保険の対象外であり、地震保険でカバーする必要があります。
まとめ
地震保険は少しずつその重要度が認知されつつありますが、まだまだ火災保険に比べると知名度が低いです。
両者はカバー範囲がまったく異なるものであり、地震保険は火災保険に付随してセット契約するもの、という関係性を今一度確認しておきましょう。
最も大事なのは、地震に関連する火災は火災保険の対象外だということ。ほぼ義務として加入されている火災保険に比べ、地震保険への加入率は低いですが、大事な前提を見落としていると、災害時に大切な資産を思わぬ形で失ってしまうかもしれません。今一度、本当に不要か見直してみてください。まったく心配ないということであれば、地震保険は不要ですが、火災保険と地震保険両方加入しておくことで、かなり幅広いケースに対応できることは間違いありません。