2019.01.30
熊本地震による保険金はもらった?地震保険金の貰いそびれに注意!
日本損害保険協会が2017年5月9日に「平成28年熊本地震に係る地震保険の支払件数と金額」のデータを発表しました。その額は3,700億円を超えます。地震による保険金の支払額では阪神淡路大震災を抜き、東日本大震災に次いで二番目に高額な保険金支払い額となります。
熊本地震から約2年が経過し、地震保険の支払いが遂行されているかと思います。地震保険は実際に地震が起きてから注目される程度で、普段はあまり気にされない保険です。
地震保険を詳しく知らない人は、勉強をしておくことをお勧めします。
【1】60%以上の人が入っている地震保険
地震保険は、地震や噴火、津波などによって住宅が被害を受けた時に補償を受けられる保険です。対象は「建物のみ」「家財のみ」「建物と家財両方」を選択することができます。
地震・噴火などを原因とする火災や延焼などについては火災保険で補償されないため、地震による火災のリスクに備えるには、地震保険への加入が必要となります。
地震保険の保険金支払額は実際の損害額によって決まるものではなく、4段階の区分に分けられた損害区分によって決まります。
原則として、地震保険は単体で加入することができません。火災保険へ付帯して申し込む保険です。
地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内(建物5000万円、家財1000万円が上限)で設定します。
建物に2000万円の火災保険をかけている場合、地震保険は上限1000万円になります。住宅被害が半壊なら半額の500万円、窓ガラスが割れた程度の一部損では数万円しか補償されないケースもあります。
地震保険だけでは、住宅を再建するのは難しいです。生活を建て直すための保険という位置づけになります。
【2】気を付けなければいけない保険金を貰う際の注意点
地震保険には全損・半損・一部損という3つの損害区分があります。保険会社から派遣された鑑定人の調査によって分類されます。
1全損(100%)
・主要構造部の損害額が建物の時価の50%以上
・消失または流失した床面積が建物の延床面積の70%以上
2半損(50%)
・主要構造部の損害額が建物の時価の20%以上
・消失または流失した床面積が建物の延床面積の20%以上
3一部損(5%)
・主要構造部の損害額が建物の時価の3%以上
・床上浸水または地盤面より45㎝を超える浸水を受けたとき
この基準は全ての保険会社で共通となっています。多くの被災家屋を速やかに調査するためにポイント加点方式で行われます。現地では「実際の損害程度と鑑定結果が見合わない」と不満の声が多く上がっている現状があります。
実際の損害額に応じて保険金が支払われる火災保険と地震保険は三つの損害区分により支払われる保険金の差に大きな開きが出ます。どの損害区分に判別されるかによって、保険金が変わるため、鑑定結果が重要になります。
地震保険の申請は保険会社の鑑定人が調査を行うことが一般的ですが、第三者の専門業者に依頼することをおすすめします。
保険会社から派遣された鑑定人は数多くの建物の点検を速やかに進めるので、細かいところまで見てくれなかったり説明が不十分であったりと不満足な結果になる場合があります。
第三者の専門業者に依頼することで、じっくりと建物の鑑定や、詳しい説明を聞くことで納得いく鑑定結果を得ることが出来ます。その際には、地震保険の損害調査も引き受けている企業に依頼することをお勧めします。
大震災が起こった際には、保険会社も多数のお客様の対応が必須となるため、見落としなどが発生する可能性があります。もしかしたら、保険金の金額が変わる可能性があります。
被災してからも、加入できる場合があります。全損・半損での加入は厳しいですが、一部損壊では程度によって、加入することが可能となります。
地震保険は建物の価値からかけられる金額が決まります。建物が大きく損壊した状態ですと、価値がないという判断になると加入することができません。修復の見込みのある、一部損壊では可能性は0ではありません。
被災してからでも、保険会社に相談する必要があります。
【3】まとめ
熊本地震では多くの人が被害を受けました。地震から年月はまだ浅く、元の生活に完全に戻れていない方も多くいると思います。地震保険は、被災者の生活を建て直すための保険です。
地震保険の認知は高くなっていますが、詳細まで知っている人は多くありません。中には、加入していることを知らない人もいます。しっかりと保険証券を確認し、地震保険金の貰いそびれには注意しましょう。